悪い人の話:その2

小学2年生の秋か冬、だったと思う。担任の若い女性の先生が産休に入る間、別の先生が臨時の担任になった。教育大学に在学中か卒業したばかりと言う、若い女性だった。

この人は私を助けてくれなかったばかりか、いじめに加担した。授業中、この答えが判る人、と先生が言って何人かが挙手した時、私は答えに自信がなくて、中途半端に手を上げた。先生は私を指名した。私はびっくりして、とっさに、判りません、と言った。判らないのに何故手を上げたのか、と怒られ、席に立たされた。他にも、些細なことで廊下に立たされた。明らかに他の子とは違う対応をされた。

ハメハメハ大王の替え歌を歌われて、止めて欲しいと言った。皆せっかく楽しく歌ってるのに、と怒られた。
産休の先生が復帰してこの先生が離任する時、全員でそれぞれ手紙を書くことになった。何を書いたらいいのか、本当に困った。あなたは先生にならない方がいい、と書きたいのをぐっとこらえて、悲しくなるから他の子にはああいうことはしないでください、と書いた。あの先生は私の手紙を読んで何を思ったのだろう。
この臨時教師の名前はいまだに覚えていて、時々ネットで検索をかける。自分が何を知りたくて検索するのかよく判らない。不幸であってほしいのか、幸せであってほしいのか。検索はヒットしなかった。まだ教師をしているのだろうか。